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本年度の地域おこし協力隊 江名に新たな隊員委嘱 遠野・三和・川前も継続

 移住者を通じて、いわき市の活性化を図る「地域おこし協力隊」の辞令交付式が3日、市役所本庁舎で行われた。本年度は新たに江名地区に協力隊が委嘱され、継続となる遠野、三和、川前地区と合わせて、地域力の維持・強化を目指していく。辞令交付式では、内田市長から一人一人に委嘱状が手渡された。
 江名地区の隊員となったのは、奈良県奈良市に住んでいた野村史絵波さん(28)。四倉町出身で、いわき光洋高から都内の美術系大学を経て、ものづくり企業に就職した。販売営業を務める中で奈良に転勤となり、現地でまちづくりにかかわったことから、古里での地域振興を決意した。
 もともと地域おこし協力隊は、中山間地域を対象としているため、江名地区は該当していなかったが、地元住民の熱意もあって、市との協議で実現した。
 地域おこし協力隊としては、江名地区まちづくり協議会が収集・保存している漁具の整理に携わるほか、展示を通じた漁村文化の継承や、海の魅力向上による誘客を図る「ブルーツーリズム事業」の企画運営、憩いの場の創出に取り組んでいく。
 野村さんは委嘱にあたり、サーフボードに似た板の上に立ち、パドルでこぎながら水上を進むスポーツ「スタンドアップパドルボード(SUP=サップ)」など、マリンスポーツによる江名地区の活性化を提案。「いわきはいつか、Uターンで住みたいと思っていた。県外との交流の場創出や、移住につなげていきたい」と意気込む。会計年度任用職員として、任期は1年となるが、延長することを前提に活動していく。
 内田市長も「素晴らしい漁村の伝統的な街並みが残っているので、ぜひ盛り上げてほしい」とエールを送った。
 また本年度継続の地域おこし協力隊員のうち、遠野地区は地元で400年にわたって伝わる「遠野和紙」の継承として、平子めぐみさん(27)、小林祐子さん(26)、高嶋祥太さん(38)がいずれも3年目を迎える。
 三和地区は2年目で、農産物直売所「三和町ふれあい市場」の支援や、SNS(交流サイト)による情報発信に当たる溝端宏幸さん(42)。川前地区は3年目で、伴走型結婚支援の事業化や、いわきの里鬼ケ城の観光誘客に努める長郷優佳さん(24)となっている。

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