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エフレイの市町村座談会 山崎理事長が内田市長や学生と意見交換
東日本大震災・東京電力福島第一原発事故からの復興の一環で、国内外の研究者が集う拠点として、4月に双葉郡浪江町で発足した「福島国際研究教育機構(F―REI、エフレイ)」は20日、いわき市で初の市町村座談会を開催した。午前中の企業訪問に続いて、夕方からは平のいわき産業創造館で、山崎光悦理事長と、内田市長や地元の高等教育機関、経済団体の関係者が意見交換を行った。
意見交換にあたり、内田市長が「エフレイには地域を活用してほしい。そしてわれわれに注文を寄せてもらい、一緒に歴史を作っていきたい」と呼びかけた。市からは、エフレイとの連携に向けたロードマップが示され、エフレイの事業進ちょくと並行して、共に創造的復興に取り組んでいく考えが伝えられた。
会場では、学生からエフレイに対する期待や、今後についての発表があった。福島高専の泉沢ことねさん(専攻科1年)は、海岸の砂の挙動の解析を通じて、減災を研究している中で、「地元で就職したいと考えているが、どうしても限定的で大企業もない。エフレイには復興のほか、魅力的な就職先の誘致に取り組んでほしい」と求めた。
東日本国際大の畠山誠さん(経済経営学部4年)は、核開発施設の展開から復興を遂げた米国ハンフォード・サイトの事例を基に、「現地では地域循環型社会が成り立っており、パシフィックノースウェスト国立研究所が大きな役割を担っている」と、エフレイのあり方を説いた。
これらを踏まえ、山崎理事長は学生向けには、夏季にサマーカレッジを開催し、エフレイの研究にも携われる仕組みを検討すると説明。「何事も一緒に体験してくことが大事だと思う。この地に筑波研究学園都市以上のものを作りたい」とも述べた。
また山崎理事長らは意見交換に先立ち、四倉町のワンダーファーム、常磐西郷町の東洋システム、佐糠町の常磐共同火力勿来発電所、勿来町の根本通商を視察した。