市主催の「令和5年度第1回いわき市総合防災訓練(大雨・洪水編)」が8日、市内13地区で一斉に行われる。本年度の防災訓練のテーマには「『逃げ遅れゼロ』『災害死ゼロ』を目指して」を掲げ、<1>東日本台風を振り返った災害対応<2>自主防災組織・防災士とともに行う市民参加型訓練<3>災害時応援協定事業者等との連携――を図っていく。今回は4年ぶりに〝市民誰もが参加可能な訓練〟としており、全体で約2200人の参加を見込んでいる。
訓練は午前8時半~11時半に実施され、いわき市に東日本台風レベルの台風が接近し、大規模な水害・土砂災害が発生した――との想定で展開される。市に加え、陸上自衛隊や福島海上保安部、国土交通省東北地方整備局、県、県警本部が協力するほか、災害時応援協定事業者等から東北電力ネットワーク、佐川急便、ヤマト運輸、日本工営、福島テレビ、FMいわき、東北大災害科学国際研究所を交えて進める。
主な訓練の内容としては、東日本台風の教訓を踏まえ、市役所について全庁的に災害初期対応を再点検し、東北大に評価・分析をしてもらう。無人航空機(ドローン)の活用や、内田市長による率先した情報発信も繰り広げられる。
避難所運営では、IT企業のバカン(本社・東京都)が提供する「バカンマップス」を活用し、地図によって施設の混雑状況を可視化する。地域の実情に応じた訓練も心掛け、東日本台風で大きな被害が出た平・平窪地区では、平四小を用いた垂直避難に臨む。
災害時応援協定事業者等との連携は、官民一体で実行する。江名地区の集落が孤立したとの設定で、国交省と佐川急便が一緒になり、トラックと船舶による物資輸送のあり方を確認する。避難所の住民にアレルギーがあることを念頭に、市の要請でヤマト運輸が柔軟に必要な支援物資を運ぶ。
内田市長は、自らが掲げる「逃げ遅れゼロ」「災害死ゼロ」を実現するため、「市民の命を守る取り組みを全力で進めていく」と話している。
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