100トン超の大型船のサンマ棒受け網漁が20日に解禁されるのを前に、集結先の北海道・釧路港に向かう福島のサンマ船団の6隻が17日、小名浜港漁港区から一斉に出港した。記録的な不漁が続くが、船団は色とりどりの大漁旗を掲げ、船主や乗組員の家族、漁業関係者の見送りを受けながら、幾度も汽笛を鳴らし勢いよく港を飛び出し、北へと向かった。
6隻は18日夕にも北海道・釧路港に到着し、岩手、宮城両県などを出港した5隻と新たに船団を組み、20日午前0時に北海道東沖の漁場へ。12月中旬まで公海を中心に漁を行う。
第三十八福吉丸の漁労長・四家義昭さん(76)は、ここ数年の漁獲量現やいまだ続くウクライナ侵攻、東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う処理水の放出決定などを懸念しながら、「毎年この時期を迎えられることはうれしいが、今は不安の方が大きい」としながらも、「いっぱい取ってできれば安いサンマを小名浜に水揚げして、皆に食べてもらいたい」との決意を胸に船に飛び乗り、仲間たちと一緒に北海道に向けて勢いよく出港していった。
常磐沖のサンマ漁の最盛期は11月から12月にかけてで、早ければ小名浜港の水揚げは10月下旬を予定している。
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