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<食べて応援>東京のショークラブで「常磐もの」提供 平の正月荘が協力

 江戸末期に創業し、老舗料亭として親しまれている「割烹料亭正月荘」(平字大町)は、東京電力福島第一原発事故に伴う処理水の海洋放出を受け、風評払しょくと、県内の水産漁業関係者を応援する都内の取り組みに賛同し、福島県沖で漁獲した8kg弱のサワラを郷土料理の「揚げびたし」にし、約200食分を提供した。4kg超のカツオ2本分、メヒカリ200尾、シラス約3kgと新鮮な〝常磐もの〟も仕入れて運送し、9月1日には全国的に知られる東京都港区のショークラブ「バーレスク東京」で利用客に振る舞われる。
 世界的に関心を集める処理水の海洋放出が始まった直後、正月荘の女将鈴木華奈子さん(40)に、都内に住む幼なじみから連絡が入った。地元のいわきを助けたい。協力してくれないか――。
 風評被害が懸念される中、地元漁業者の理解なしに強行され、中国は日本産水産物の輸入を全面停止。影響は観光業界にまで広がるなど、日に日に環境は厳しさを増している。事態のさらなる悪化を懸念し、連絡をくれたのは、バーレスク東京に勤め、華奈子さんと小学校時代からの幼なじみの坂本亮さん(40)だった。
 運営するオフィスキューキュー(内藤良太代表取締役)では熊本地震の際、熊本県産の名産品を大量に購入して、利用客に振る舞うなどの支援活動に力を入れており、今回の一連の報道に心を痛めた内藤社長が「末端の消費を拡大させることが福島の漁業を助けることにつながる。店でおいしい魚を提供することで安全性と魅力を発信したい」と考え、いわき出身の坂本さんを通じて正月荘に声がかかったという。
 このため正月荘では、伊東和浩料理長(51)が腕によりをかけたカツオならぬ「サワラの揚げびたし」を用意した。鈴木さんは「都内の方々にも安心して今まで通り、豊洲でも評判の高い『常磐もの』を食べてほしい」と語り、幼なじみの善意と、バーレスク東京の支援に感謝の気持ちを抱きつつ、正月荘としても今後もできる限りの情報発信をしていきたいとの気持ちを新たにしていた。

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