来年春のセンバツにつながる「第75回秋季東北地区高校野球県大会いわき支部大会」(県高野連いわき支部主催)は最終日の3日、平球場で決勝が行われ、いわき湯本がいわき光洋を13―2で下し、統合による校名変更前の湯本時代の第69回大会(2017年)以来、6年ぶり9回目の優勝を飾り、県大会のシード権を獲得した。
県大会は16日にいわきグリーンスタジアムをメーン球場に開幕するが、今大会は2年ぶりに夏の福島大会同様、全チームが出場可能となる。県内6支部それぞれの大会優勝校にシード権が与えられ、これまでに県北支部は福島商業、県南支部は学法石川、会津支部は会津学鳳、相双支部は相馬が優勝している。
さらに各支部準優勝校の中から1チームが抽選で選ばれ、これに甲子園に出場した聖光学院を加えた8チームがシード校となる。抽選会は8日。
<強豪3校破って栄冠つかむ>
いわき湯本が統合により校名を変更して以来、秋・春を通じ支部大会初優勝を飾った。東日大昌平、磐城、いわき光洋と実績十分の強豪3校を相次いで破ってつかんだ栄冠。それは誰かが不調でも別の選手がそれを補い、日替わりでヒーローが出たチームワークのたまものだ。
最初の2試合は逆転勝ち。投げてはエース岩並裕晃(2年)、斉藤輝(同)という前チームからマウンド経験のある2人が完投すれば、選手交代なしの9人ずつで乗り切った。最後の決勝では1年生の小野隼太朗を抜てき。小野は6回を被安打2、2失点と期待に応えた。また、点差が開いたこともあって今大会初めて選手を交代をしたが、封印を解かれたように控え選手たちも伸び伸びプレーした。
1年前は厳しい新チームの船出だった。秋季大会、続く国体開催記念大会と公式戦全敗。1年生としてその悔しさを知る、夏の福島大会のレギュラー5人を含む2年生が数多く残ったのがいわき湯本の強みだ。
「それでも最初はチームが1つに慣れていなかった。夏休み中は20数試合の練習試合をしたが、互いにミスをフォローしながらたくましさを増していった。このチームにはまだ伸びしろがある」と小野裕久監督。逆境をやピンチを跳ね返す強い精神力―リバウンドメンタリティー―は後輩たちに受け継がれた。
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