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豪雨被災の宮小 11日ぶりに内郷二中で学校再開「児童の心のケアを」

 8日夜から9日朝にかけて、いわき市を襲った台風13号に関連した記録的大雨に伴い、校舎が浸水する被害を受けた内郷宮町の宮小(遠藤謙一校長、児童数58人)は19日、近隣の内郷二中の空き教室を活用して、11日ぶりに学校が再開した。豪雨によって、宮小は近くを流れる宮川があふれ、床上60~70cmの浸水となり、教室には泥水や土砂が流れ込んだほか、子どもたちの勉強道具も水につかってしまった。
 市教委によると、宮小は浸水の影響で、1階の床の張り替えや消毒といった工事が必要なため、もとの校舎で再開するには1カ月間以上かかる見通し。内郷二中は宮小から南東に約800mに位置しており、初日は遠藤校長と一緒に、班登校する子どもたちの姿もみられた。
 宮小は1~4年と、5、6年の複式学級、特別支援学級の6クラスで、内郷二中の間借りにあたっては、空き教室7カ所を使用している。中にはエアコンが無かった教室もあったが、再開までに整備を終えた。市教委の担当者も「暑い日がまだまだ続くので、子どもたちのため、エアコンが間に合ってよかった」と安ど感をにじませる。
 もとの校舎では、大雨翌日の9日から復旧作業が続いた。教職員に加え、保護者、地域住民の手を借りながら、汚れた机やいす、資料や書籍類などを運び出した。18日には宮小から内郷二中に向けて、持ち込まれた机やホワイトボードが並べられ、仮の形で合っても、再び教育活動が始動できた。
 1年生の教室には、黒板に「おはようございます。みんなにあえてうれしいです」と、担任教諭からのメッセージが書かれ、子どもたちも変わらず元気に自分の椅子に座っていった。鈴木柚さん(6)は「大雨の音はとても怖かった。(浸水によって)クレヨンとかが無くなってしまい、残念だけれど、きょうはみんなに会えてうれしかった。中学校はとっても広い」と、普段と少し違う環境にはにかんでいた。
 遠藤校長は自らもアパートが床上まで浸水する被害を受けたが、何よりも子どもたちの心のケアに努めると強調する。全児童の家庭38世帯のうち、およそ3分の1が床上・床下浸水に遭っており、「市教委や県教委と連携し、週内にもすべての児童を対象に、スクールカウンセラーによる聞き取りなどを行っていく」と語った。
 宮小の再開によって、いわき市の公立小・中では、豪雨による臨時休校はなくなった。

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