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グッドデザイン賞のベスト100 磐城高箸の色鉛筆に県内唯一贈られる

 日本デザイン振興会は5日、デザインが優れた物事に贈られる今年の「グッドデザイン賞」を発表し、田人町南大平の磐城高箸(高橋正行代表取締役)が手がける「ふくしま 木守(こもり)の色えんぴつ」が、上位100件をたたえる「グッドデザイン・ベスト100」に選ばれた。今年のベスト100は磐城高箸が県内唯一で、同社にとっては初の受賞。
 磐城高箸は、高級割り箸や鉛筆などを製造しており、「ふくしま 木守の色えんぴつ」は、田人産材のヒノキを活用し、軸材・色芯ともに純国産にこだわった色鉛筆となっている。
 通常の鉛筆や色鉛筆に使われる軸材は、パラフィンワックスと呼ばれる油分を含ませ、加工を容易にしている。しかし磐城高箸では、削った際のヒノキの香りを大切にするため、あえて使用していないため、色鉛筆は水分の調整もあって、製品化まで足掛け3年半を要した。
 書類による1次審査に続いて、8月には千葉・幕張メッセで、製品を展示する2次審査が開催された。高橋社長は現場に鉛筆削りを準備し、実際に香りを楽しむ仕掛けを施したが、審査委員に好評だったようで、サンプル展示まで削られた。高橋社長は「これで受賞できるかもと期待したが、ベスト100とは。選ばれたと知り、とてもびっくりしました」と目を丸くする。
 審査委員はベスト100にあたり、「ただの鉛筆ではなく、細部へのこだわりと配慮が感じられる。素材の品質へのこだわりは、人々にその重要性を示そうとする意志とともに、計り知れない魅力を生み出している」と指摘する。その上で「自然な色合いと香りを楽しむことができるという、新鮮な価値を提供している点を高く評価したい」と結んだ。
 単に木工製品を作っている訳ではなく、高橋社長が目指す持続可能な林業の実現、そして田人・いわきの里山に目を向けてほしい思いをくみ取っているとされる。プレゼンテーション動画では、分校内に研究所を設けるIT企業・moegiの「メダカの学校」や、田人ホースクラブによる乗馬体験、校舎を舞台にしたコスプレイベントも登場し、中山間振興を図る姿も伝えられた。
 今後に向けて、高橋社長は「木守の色えんぴつを通じ、木の持つ魅力を多くの人に知ってもらえれば」と期待を寄せる。価格は1セット880円(税込み)。磐城高箸、ヤマニ書房、ネットショップ<こちら>で販売している。

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