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東日本台風4年 平中平窪・常勝院に支援の灯 キャンドル・ジュンさん協力
いわき市に甚大な被害をもたらした「令和元年東日本台風」(2019年台風19号)の上陸から、12日で4年となるのを前に、平中平窪の常勝院岩城寺(横山智俊住職)で11日夜、一般社団法人LOVE FOR NIPPON(ラブフォーニッポン)=東京都=による「キャンドルナイト」が開催された。境内には約400本のキャンドルが並べられ、犠牲者を追悼するとともに、地域の復興を願った。
常勝院の立つ平窪地区は、4カ所で夏井川が決壊し、広い範囲で浸水被害が起きた。境内は市道から2mの高さにあり、本堂が水につかることは免れた。周りの惨状にいち早く支援の手を差し伸べようと、始めは市役所に連絡したが、思うような結果につながらず。そこでツイッター(現・X)やフェイスブックを通じ、平窪の状況を発信し続けた。
イベントを主催したラブフォーニッポンの代表・CANDLE JUNE=キャンドル・ジュン=さん(49)も、SNSの投稿を見て、常勝院に駆け付けた一人だ。2011年の東日本大震災では発生直後に、いわき市で支援を行った経験を持ち、月命日には県内各地でキャンドルをともしている。再び自然災害に苦しむ様子を目の当たりにし、居ても立っても居られなかった。
東日本台風以降は、毎年10月の震災の月命日には常勝院を訪れ、水害で亡くなった人も悼んでいる。本堂では音楽イベントも催され、地域住民のほか、キャンドルの縁で生まれた双葉郡からの来場者も足を運んだ。境内はキャンドルの優しい光に包まれ、今回は泉幼稚園の子どもたちが書いた将来の夢も添えられた。
ジュンさんは「悲しいことに、9月には線状降水帯によって、いわき市ではまた水害が起きた。ただ皆さんから話を聞くと、4年前の経験が生かされ、スピード感を持って対応できたことが分かった。私たちも小さいながら、これからも支援活動を続けていきたい」と語った。
常勝院の横山佐知子さん(60)は「今年も多くの方に来ていただいた。9月に豪雨があったばかりで、改めて自然災害の脅威を感じている。少しずつ東日本台風の記憶が風化していく中で、毎年のイベントによって、少しでも見つめ直すことができたらうれしい」と話している。