市立美術館の企画展「民藝 MINGEI-美は暮らしのなかにある」(同館など主催)が28日から、平の同館で開かれる。「民衆的工藝(民藝)」の考えは約100年前、思想家・柳宗悦(やなぎ・むねよし)が国内各地の民衆による手仕事の品々を調査・収集し、日常生活で用いる品々に美を見出す中で提唱された。
1936(昭和11)年、柳ほか各界の協力で設立した日本民藝館のコレクションなどから「衣・食・住」をテーマにいまに残る作品約150点を展示する。会期は12月17日まで。
展示構成は3章に分類され、第1章「1941生活展-柳宗悦によるライフスタイル提案-」は、1941年に東京・目黒の日本民藝館での「生活展」を再現。民藝の品々で室内を装飾したテーブルコーディネートの手法を試みる。
第2章「暮らしのなかの民藝-美しいデザイン」は、<1>「衣」を装う<2>「食」を彩る<3>「住」を飾ると題し、日本のみならず、朝鮮半島、中国、欧米など各国を訪ねて収集した日常用品を中心に、柳宗悦が見出した民藝美に焦点を当てる。
第3章「ひろがる民藝-これまでとこれから」は、柳宗悦没後の民藝運動を紹介。1972年に濱田庄司、芦沢銈介、戸村吉之介が刊行した書籍『世界の民芸』でのヨーロッパ、アフリカ、南米など各国の品々ほか、国内5カ所の産地から倉敷ガラス(岡山県)、鳥越竹細工(岩手県)、八尾和紙(富山県)の手仕事を紹介する。
同じく現在の民藝ブームの先駆者ともいえるテリー・エリス、北村恵子(MOGIフォーク・アートディレクター)の愛蔵品などを展示する。
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