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コロナ巡る映画公開へ 女優・高樹沙耶さん10年ぶり復帰 いわき市で撮影

 新型コロナウイルス感染症をテーマとした実在の話を基に、医療のあり方や人とのかかわりなどに迫った映画「レターパック裁判~勇者の証~」の制作発表記者会見が30日、いわき市内で行われた。市内や茨城県を舞台に、29日からクランクインしており、女優の高樹沙耶さんが10年ぶりの復帰作として主演に挑む。
 監督・脚本を担うのは日本フルーツアートデザイナー協会代表の高梨由美さん。ロックバンド「クリスタルキング」の元ボーカル・田中昌之さんも特別出演し、主題歌「君が教えてくれた」を担当する。11月まで撮影し、来年1月に県内外で上映を予定している。
 高梨さんは、2018(平成30)年公開の映画「それぞれのヒーローたち」のプロデューサーを務めた。1983(昭和58)年の高校軟式野球東北大会で、平工業が勝利した史実を踏まえ、東日本大震災・東京電力福島第一原発事故で傷付いたふるさとに向けて、勇気を与えるストーリーとして話題となった。
 前作から5年が経つ中で、身体の持つ免疫などを専門とする立場から、高梨さんは新型コロナの対策に疑義を呈し、将来の子どもたちのため、再び映画を制作することを決意し、準備を進めてきたという。
 高樹さんは高梨さんたちの熱意を受け、女優復帰を決断した。移住先の沖縄・石垣島から会見に駆け付け、「私自身も原発事故によって、福島について誤ったイメージを持っていた時期がある。(新型コロナを巡る問題も)正しい認識を持つことが重要」と自らの考えを訴えた。復帰に対しては「本当に伝えたいと思う作品に出演できることは、女優冥利に尽きる」と笑顔を見せた。
 会見には田中さんに加え、神奈川県鎌倉市を拠点とする「劇団小林組」を主宰する俳優の小林敬さん、女優の今泉恵美子さん、いわき市からの出演者として、女優としても活動する歌手のToshieさん、美容室経営の瓜田欽也さんが登壇した。

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