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18日「いわき市総合防災訓練」 宮崎・延岡の協力で初のペット同行避難も
令和5年度第2回いわき市総合防災訓練「地震・津波編」は18日、9月の記録的大雨で被害を受けた内郷地区を除き、市内全域で行われる。市は豪雨の被災状況を踏まえ、地域の復旧・復興を優先しつつも、次の災害に向けて訓練を重ねる必要性から、地区ごとの実情に応じて実施を決定した。
今回は市内初の「ペット同行避難訓練」に取り組むとともに、すでに体制を構築する自治体として、兄弟都市の宮崎県延岡市が協力する。時間は午前8時半~11時半、予備日は19日で同時刻。
市は7日、市総合防災訓練の概要について発表した。7月の本年度第1回(大雨・洪水編)に続き、訓練テーマは「『逃げ遅れゼロ 災害死ゼロ』を目指して」とし、新たに「命を守る行動を!」を付け加え、確実な避難を呼びかける。
訓練は、18日午前8時半に三陸沖で、マグニチュード(M)9・0の地震が発生。いわき市では、東日本大震災を上回る最大震度6強の揺れを観測し、福島県沿岸部に大津波警報が発表され、内陸部では土砂災害等が起きている――との想定で進める。
当日は、市役所本庁舎に災害対策本部が設置され、市民に向けた情報伝達などを確認する。内郷地区を除く市内12地区では、それぞれに内容が異なる。自主防災組織や防災士と連携し、津波からの避難はじめ、避難所開設、資器材の取り扱いを訓練するほか、防災に対する学びも予定する。全体で約1千人の参加を見込んでいる。
市との協定に基づき、東北大災害科学国際研究所(宮城県仙台市)が今回も協力し、7月の第1回訓練で受けた助言・指導も反映する。
いかに早い段階で安全に避難するかは、9月の豪雨でも課題に挙げられており、総合防災訓練に当たって、市災害対策課の松本雄二郎課長は「東日本大震災の印象が強いためか、避難所に対する否定的な捉え方がある。こうしたイメージを変えるため、環境の改善や学びを得てもらえれば」と話している。