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いわき市考古資料館 古代の磐城郡に迫る企画展 出土品の紹介や解説会も

 「いわきの古代を探る」をテーマに展開している、市考古資料館(木幡成雄館長)による本年度企画展の第3回「古代陸奥国磐城郡―根岸官衙遺跡群とその時代―」が、常磐藤原町の同館企画展示室で始まった。来年3月31日まで。
 2005(平成17)年に国史跡に指定された、平下大越の「根岸遺跡」と、関連寺院の「夏井廃寺跡」からなる根岸官衙遺跡群の出土品(土器、瓦、土・木・鉄製品)など、古代のいわき地方の成り立ちなどを探る約250点が展示されている。
 企画展では、根岸官衙遺跡群として国史跡に指定されている、奈良・平安時代の陸奥国磐城郡の郡役所跡「根岸遺跡」=平下大越字根岸、藤間字トウボウウジなど=と、同遺跡の北側に隣接する古代寺院の「夏井廃寺跡」=平下大越字石田など=に着目した。
 市によると、常陸国風土記には「白雉四年(653)、多珂国造石城直美夜部と石城評造部志許赤という人が申し出て、助川から苦麻村まであった多珂国造の国を多珂評と石城評に分けた」との記述があり、このときにいわき地方の大部分が石城評となり、根岸遺跡に役所が作られた。その後、701(大宝元)年に評が郡と表記され、石城評は石城郡、さらに8世紀半ばごろに「磐城」の字が使われるようになったという。
 古代のいわき地方は沿岸部の丘陵地を中心に発展し、美しい埴輪(はにわ)やアクセサリーなど、古墳から出土した副葬品からも、有力者の存在がうかがえ、その有力者の子孫がのちに郡役人として任命されたと推測される。
 実際に根岸官衙遺跡群では郡役所の建物、豪族の屋敷、関連する古代寺寺院の建物跡「夏井廃寺跡」などが発見されており、また、展示品からは郡役所を中心とした古代の人々の暮らしの仕組みも分かる。
 今展では、同遺跡群の出土品や発掘調査の様子を、記録した写真で振り返るとともに、周辺遺跡との関連も読み解いている。小川町下小川で見つかった梅ノ作瓦窯跡郡=根岸官衙遺跡群の根岸遺跡、関連寺院(夏井廃寺)に瓦を供給したと推測される窯跡=をはじめ、郡役所から約10km圏内に工房跡などの生産遺跡があり、運河としての役割が大きかった夏井川にも着目した。
 開館時間は、午前9時~午後5時(入館は午後4時半まで)。休館は毎月第3火曜と来年1月1日。今後の展示解説会は、同3月17日午後2時から3時で、参加無料。当日受付で定員は先着30人まで。

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