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東北大災害研 いわき市に9月豪雨の中間報告提出 避難情報あり方など指摘

 いわき市を襲った9月の台風13号に関連した記録的大雨を巡って、東北大災害科学国際研究所(宮城県仙台市)などの検証チームは22日、中間報告をまとめ、市に向けて提出した。
 中間報告では、水があふれた状況と今後の対策についてや、県内で初めて発生した「線状降水帯」に合わせた避難情報に関する課題、2019(令和元)年の東日本台風からの対応が不十分で、ごく初期に災害廃棄物の臨時集積所が準備できなかった点などを指摘している。
 9月の豪雨に際して、いわき市では死者1人、1691棟の住宅で床上・床下浸水が確認されている。こうした状況を踏まえ、被災の実態や避難のあり方をテーマに、東北大災害研の柴山明寛准教授が中心となり、福島高専や関西大の専門家も交え、市の依頼で検証チームが発足した。
 検証チームでは、特に被害が大きかった内郷内町、内郷宮町で現地調査を展開し、地域住民や市職員など約50人から聞き取りを行った。
 その結果、内郷内町では、排水路等があふれる「内水氾濫」が生じ、その後に新川の水が堤防を越える「外水氾濫」が起きたことが判明した。内郷宮町では宮川の流れが複雑なため、区別が付かない部分があるという。
 線状降水帯のように急激な降雨に対し、どう避難情報を発令するかも取りざたされた。内水氾濫を検知・発見するため、マンホールや道路に浸水センサーを配置したり、カメラによって監視したりする取り組みが一案とされ、市も設置費用や効果を見極める。
 内田市長は、避難指示がいわき市全域に出されたことで、切迫感に欠けてしまったと話す。海岸線が南北約60kmにわたり、面積は東京23区2個分の広域都市のため、少しでも細かい単位で発令するのがふさわしいとし、今後検討していくと明かした。
 浸水被害を受けた家財道具の後片付けに当たって、搬出場所の問題も中間報告に盛り込まれている。内田市長からは、災害を前にあらかじめ場所を設定して、市民の活用頻度が高い「家庭ごみの収集カレンダー」を通じ、情報の周知徹底を図る案が伝えられた。
 一連の内容を受け、内田市長は「スピード感と分かりやすい説明で、次の大雨が予想される来年の梅雨までに、できるところから対応したい」と述べた。

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