市水道局は15日、1日に発生した能登半島地震に伴い、断水が続く石川県で行った給水支援活動を終えた。派遣されたのは、夘木良・営業課主幹兼課長補佐、阿部弘志・配水課主任技査兼配水計画係長、国分仁・営業課主査、小林大祐・配水課技査の4人で、12日から被災地に入った。一行は15日夕方、平字童子町の市水道局本庁舎に到着し、夘木課長補佐は「多くの人から『ありがとうございます』と感謝の言葉をいただいた」と万感の思いで振り返った。
給水支援活動は日本水道協会の要請で決まり、現地での指示を受け、石川県七尾市で展開した。同市は地震から2週間が経過した15日現在も、ほぼ全域の約2万400戸が断水しており、復旧のめどは立っていない。
夘木課長補佐らは、同市の七尾鹿島消防本部や病院2カ所、福祉施設1カ所の受水槽に給水したほか、113人(15日時点)が避難する田鶴浜体育館で、朝から夕方まで水を受け取りに来る住民に対応した。
いずれのところでも一様に喜ばれた。昼間でも氷点下に近い気温だったが、「被災された方のことを思えば、寒さも気にならなかった」と夘木課長補佐。タンクが空になるたびに、何度も水道が通っている場所まで給水車を走らせた。
住民からは「(ポリタンク)何個まで水は大丈夫ですか」とも聞かれたという。夘木課長補佐は「いくつでも構わないですよ」と優しく語りかけ、被災した人たちに寄り添った。
夘木課長補佐は活動を踏まえ、「東日本大震災をきっかけに、備えている方も多いと思うが、能登半島地震を契機に、あらためて防災意識を持ってもらえれば」と呼びかけた。市水道局では大規模災害に向けた備えとして、各家庭に3日分(1人9リットル=1日3リットル)を目安に、飲料水を備蓄するよう求めている。
県内からの給水支援活動は5日に始まり、郡山、会津若松、福島、いわき、伊達の5市で順番に実施している。
(2枚目の写真は、石川県七尾市の避難所で給水支援を受ける地元住民=市水道局提供)