小名浜のふくしま海洋科学館「アクアマリンふくしま」は21日、寒い海に生息するゲンゲの一種「ハナゲンゲ」の展示を開始したと発表した。ゲンゲは一部の種類で食用とされることもある身近な魚種だが、生きた姿で目にする機会はめったにないといい、ハナゲンゲの展示は国内初とみられるという。
ハナゲンゲは、オホーツク海の水深150~400mの大陸棚に分布するとされるが、詳しい生態的な情報はとても少ない。展示されている2個体は昨年12月、北海道羅臼沖の深海刺し網漁で混獲され、漁業者から同館に提供された。採集場所は水深420~600mで、2個体はいずれも体長50cmほど。
特徴としては、背側に4個以上の白色の模様があることで知られているが、展示からも個体差があることが分かる。
同館では2021(令和3)年から、同じくゲンゲの仲間であるシロゲンゲ、カムチャッカゲンゲ、カンテンゲンゲ、ヤワラゲンゲなどの展示に挑戦してきた。今回も謎多きゲンゲ類の独特な姿・形、行動から、深海の多様性を感じてもらいたいと呼びかけている。展示場所は同館2階「親潮アイスボックス」。
(写真:展示されているハナゲンゲ=アクアマリンふくしま提供)
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