いわき市の中山間地域などで地域活性化に取り組む「地域おこし協力隊」。本年度は新たに遠野地区に1人が加わり、江名、三和、田人各地区の計3人とともに、地元の魅力を伝えていく。
新規で委嘱されたのは、茨城県日立市の森勇人さん(26)。400年以上にわたって受け継がれてきた「遠野和紙」の技術を深めていく。「自然に囲まれたところで働きたいと考えていた」と話す森さんは、大学時代に地域振興について学んでおり、満を持して協力隊に志願したという。
これまでイベント設営の仕事に携わってきたほか、映像制作を趣味としていることから、遠野和紙を県内外に発信していきたいとも意気込む。
「一度途絶えてしまったものを、引き継いでいこうとする姿勢が素敵だと感じている。協力隊として、地域の皆さんとのコミュニケーションを大切にしながら、遠野地区が盛り上がるようなイベントも展開していきたい」と力強く語った。
また江名地区では沿岸の自然や文化を生かしながら、地元住民とも交流する「ブルーツーリズム事業」の企画運営や、漁業資料の整理・展示に取り組む野村史絵波(しえな)さん(29)が2年目、三和地区では農産物直売所「三和町ふれあい市場」の支援などを行う溝端宏幸さん(43)が3年目に入る。
田人地区は1月から任命されている相原大成さん(45)が、14日から再開を予定する宿泊施設「田人おふくろの宿」の活用を図っていく。
内田市長は「いろいろな形で盛り上げて地域の人間関係を築いていただき、いわきに残ることも視野に入れながら活動を進めていただきたい」と呼びかけた。
地域おこし協力隊は、都市圏の住民を会計年度任用職員として任命し、地域住民ととともに活性化に取り組んでもらうことで、地域力の維持や向上、市内への定住・定着を推進する制度。1日に市役所本庁舎で、本年度の辞令交付式が開かれた。
(写真:内田市長から地域おこし協力隊に委嘱された4人)
ニュース