県内で唯一カツオ漁を行っている、酢屋商店(小名浜字栄町、野崎哲代表取締役)所有の「寿和(すわ)丸」船団が17日、今季初のカツオ漁に向けて拠点の小名浜港を出発した。
船団は網をかける伊豆諸島・八丈島近海に向かい、18日朝の段階で千葉県・銚子港東北東沖を南下しているが、今季は例年に比べて漁場の形成が遅いといい、序盤は手探り状態の漁となることが予想される。
出港したのは、巻き網船の第1寿和丸(総トン数約250トン)と第6寿和丸(同約100トン)、第22寿和丸(同約300トン)の3隻。このほか、北勝丸(同約300トン)が20日、第33寿和丸(同約350トン)が22日に出港し、合わせて乗員82人・5隻体制で漁を行う。
昨年のカツオの初水揚げは、例年より約1カ月遅れの5月29日となったが、東日本大震災以降で最多となる約58トンを記録した。ただ今季は〝読み〟が難しく、同社の野崎太取締役(41)は「例年に比べると漁場の変化が著しい年に思えるが、良い漁をして地域に貢献したい」と語る。
第1寿和丸の欠畑喜代治船長(44)は「ゴールデンウイーク前に水揚げして、地元の皆さんに喜んでもらえるよう頑張りたい」と意気込んでいた。出港式では大漁旗を掲げた3隻が、乗組員の家族や同社の社員、漁業関係者に見守られながら勢いよく出港した。
(写真:家族や関係者に見守られながら出港する第1寿和丸)
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