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田人町石住のクマガイソウ 今年も満開迎える 全国有数およそ5万株の群生地
いわき市田人町の石住綱木地区に暮らすお年寄りらが保護している、ラン科の絶滅危惧種クマガイソウが満開となり、多くの観光客でにぎわっている。観覧には協力金300円が必要で、今月中旬ごろまで楽しめる。
標高450mの山中にある全国有数の約5万株の群生地。株の盗掘を防ごうと約40年前、地元住民が保護活動を始め、2014(平成26)年からはクマガイソウを守る会が観光客向けに公開している。
花の名称は、膨らんだ形の唇弁を、源平合戦に赴く熊谷直実が背負う母衣に見立てて命名。9日に石川郡石川町から訪れた無職星覚さん(69)は「明るく整備された群生地で開放感がある。車で細い道を来るのは大変だが、華やかな花々に癒やされる」と話した。
コロナ禍で一般開放を休止したほか、2022(令和4)年1月には群生地脇の住宅や倉庫・整備道具などが焼失する火災が発生。活動には年間約300万円掛かるため、希望者に苗を売って活動資金を賄ってきた。
今年は18、19、25、26日に苗5株を2500円で販売する。午前10時~午後3時。現地に取りに来られる人限定で、事前予約が必要。予約、問い合わせは同会=電話(89)3414=まで。
(写真:満開となっているクマガイソウ)