平字大町のアートスペース・エリコーナで26日まで、「九頭見恵友版画展~風の相貌(そうぼう)」が開かれている。
制作した九頭見恵友さん(77)は、常磐湯本町の和菓子店「久つみ」店主。家業の傍ら創作活動を続け、自身の個展は15年ぶりで、エリコーナでは初になる。会場には約1年かけて完成させた版画22点、アクリル18点を紹介している。
版画は、乾くと固まるモデリングペースト原紙に青、赤、黄色の油彩絵の具を順に、3層盛り上げたあと、プレス機で圧力をかけ、混合させる一版多色刷りを用いている。アクリル作品は、水彩絵の具を使用する。イギリスの版画家ヘーターの技法に近く、深みある3原色が独特の世界を醸し出している。
九頭見さんは「タイトル『風の相貌』は、30年前に訪れた新潟・佐渡島の版画村で見た高橋信一さんの作品に触発された。その時、吹いていた強い風が抽象の原点になり、今回の個展が集大成になる」と話す。
時間は午前10時半~午後5時(最終は午後4時まで)。会期中の午後は九頭見さんが在廊する。
(写真:会場に並ぶ九頭見さんの作品)
ニュース