市は27日から、職員を対象に公共交通の活性化に向けた「エコ通勤」を始めた。いわき市ではバス路線の廃止や縮小に加えて、鉄道利用者の減少により、公共交通が厳しい状況に置かれている。このため市職員が率先して利用することで盛り立てながら、併せて交通渋滞の削減や二酸化炭素の排出削減につなげていく。
エコ通勤は毎月の下旬(15日以降の約2週間)を実施期間とし、職員それぞれがこのうち5日以上取り組む目標を設定。5月は27~31日とする。対象者は市医療センターの医療職を除く全職員。
市地域公共交通計画では2027(令和9)年度までに、平―小名浜間を結ぶ路線バスのうち、鹿島街道経由といわきニュータウンに関連する系統で2万人増や、鉄道交通利用者数は主要駅で2千人増やす数値目標を掲げる。
これまでも市民に対しては、広く公共交通の維持を啓発。利用促進策としては、スマートフォンやパソコンで運行中の路線バスの位置情報が分かる「バスロケーションシステム」や、地域連携ICカード「LOCOCA(ロコカ)」の導入などを支援してきた。
内田市長は「交通手段が自家用車の割合は、いわき市が全国の中核市で最も高い。まずは市職員がバスや鉄道を積極的に使うことで、市民の皆さんの中での理解も深まる」と話している。
また28日からは庁内を横断した組織として、新たに「交通政策対策チーム」が発足する。
交通政策対策チームは市長をリーダー、事務局の公共交通課の課長をサブリーダーとして、関係部署の課長補佐職を「交通政策担当」に任命。チーム全体で交通課題に対する対応と企画・立案を行うとともに、交通政策担当は具体的施策を実行していく。
各課の取り組みは次の通り。
▽政策企画課=庁内政策調整▽地域振興課=地域振興対策▽観光振興課=来訪者(観光/イベント)▽構造改革・DX推進課=Society5・0▽生活安全課=免許返納対策等▽公共交通課=公共交通施策▽人事課=職員の通勤対策▽地域包括ケア推進課=高齢者対策、医療・福祉輸送等▽学校教育課=児童・生徒輸送等▽財政課=財源確保▽産業チャレンジ課=物流・商業
(写真:市役所に通勤する職員=27日朝)
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