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昨年9月の豪雨受けて 内郷の新川・宮川の改修工事へ 勝手橋の順次撤去も

 県は昨年9月の台風13号に関連した記録的大雨に伴い、浸水被害を受けた内郷地区の新川、宮川について、早ければ2026(令和8)年度から改修工事に着手する。また宮川10カ所に架かる管理者不明橋(通称・勝手橋)に関しては、増水時に流木等が引っかかって氾濫を招いたことから、利用実態の調査と地域住民との対話を通じて、順次撤去を進めていく方針。
 併せて県道・市道の橋りょうも、住民の生活や避難に支障をきたさないよう、河川改修とともに必要に応じて集約・架け替えを予定する。
 県の検討会が5日、平の県いわき合同庁舎で開かれ、今後に向けた取りまとめが行われた。検討会は昨年12月から計4回開催され、専門家や県、市の担当者が意見を交わしてきた。
 検討会は今回が最後となり、冒頭を除いて非公開で実施。昨年9月の豪雨を踏まえ、川底の砂や構造物を撤去し、流下能力を増やすことで、本格的な雨のシーズンに備えているが、50年に1度(1時間当たり64mm)の降雨量を想定し、対策に臨む計画を決めた。
 河川改修にあたり、新川(改修区間3・7km)、宮川(同3km)はいずれも、川底を深くしたり、川幅を広げた上で護岸を整備する。新川のうち、内郷白水町の弥勒(みろく)橋の下流には貯留施設を作ることを想定しており、家屋の立ち退きが生じる可能性もあるという。
 それぞれ測量や用地取得が必要なため、完成は2028(令和10)年度以降の見通し。河川沿いの住民に対しては、計画の検討、設計、工事着手の3段階に応じ、説明の機会を設けていく。
 ただ昨年9月の豪雨では、新川流域で1時間当たり70mmの降雨量が確認されている。このため計画で対応できない部分については、ソフト面の対策も並行していく。
 この一環として、市では本年度、国土交通省の「ワンコイン浸水センサ実証実験」に参加。浸水情報をいち早く把握できるための機器で、有効性が分かれば本格運用を始める。
 検討会の委員長を務めた福島大共生システム理工学類・川越清樹教授は「内郷地区は、山間部の谷底のきわめて狭い平地に住宅が密集しており、線状降水帯のような異常な降雨には、どうしても脆弱である。検討会では河川の水のはく量を考えてきたが、河川を掘削するだけにとどまらず、河川全体の流域治水を今後も考えていくべき」と語った。
 (写真:今後に向けた取りまとめが行われた県の検討会)

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