京塗師の川瀬表完さん(京都市山科区)の個展「三代川瀬表完展」が18日まで、平字中町の小野美術で開かれている。
川瀬さんは1965(昭和40)年に京都に生まれ、幕末から明治にかけて活躍した京塗師木村表斎を祖師とする、京塗りの表派の技法を曾祖父と初代表完の祖父、二代表完の父から継承し、2019(令和元)年に三代目を襲名した。
本堅地塗、一閑塗、乾漆などを特技とし、伝統技法を守りながら棚物や棗(なつめ)、香合、花入れを主に、現代的な造形、文様を取り入れた茶道具漆器を創作している。
同ギャラリーで個展を開くのは初めてで、茶道具、京漆器を中心に約200点を展示販売。中でも「二升五合枡水指」は、側面に春の北斗七星、夏の白鳥座、冬のオリオン座を描き、秋の星をあえて描かないことで〝商い(秋ない)〟、二升五合の枡(ます)から〝ますます繁盛〟と洒落を込めた縁起ものとして、注目を集めている。
くびれの少ない瓢箪を禅宗のダルマに見立てた「瓢 だるま置き花入」など、趣向が凝らされた作品群は来場者に喜ばれており、川瀬さんは「多くの人に来ていただき、京漆器の魅力を伝えられたら。はんなりとした雰囲気を楽しんでほしい」と来場を呼び掛ける。16日まで在廊予定で、作品の解説などを行う。また茶席も用意されている。
開場時間は午前10時~午後6時(最終日は同5時まで)。問い合わせは、小野美術=電話(35)0383=まで。
(写真:来場を呼びかける川瀬さん)
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