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海洋放出から間もなく1年 坂本農水相 小名浜で県漁連・野崎会長と面会
坂本哲志農林水産相は25日、小名浜魚市場で、県漁業協同組合連合会(県漁連)の野﨑哲会長ら幹部と面会した。
東京電力福島第一原発の処理水を巡り、海洋放出始まってから間もなく1年を迎える中で、坂本氏は中国による禁輸措置を踏まえ「科学的根拠のない輸入規制は、不合理だということを訴えていかなければならない」と述べた上で、引き続き風評対策や、水産物の消費拡大に尽力していく姿勢を示した。
海洋放出は昨年8月に始まり、16日に本年度3回目・通算7回目が完了し、現時点で海洋モニタリングに異常は確認されていない。国際原子力機関(IAEA)は18日、調査団による検証作業の報告書を公表し、海洋放出は「国際的な基準に適合している」との見解を出している。
面会は冒頭を除いて非公開で行われ、野﨑会長からは「一回一回緊張感を持って、海洋放出に臨んでほしい」と要請。海洋放出に水産庁が現場の立場で関わるよう求めたほか、国の助成事業「がんばる漁業復興支援事業」の継続や、後継者問題の解決にも話題はおよんだという。
小名浜魚市場では水産物の放射性物質検査の様子を見学し、隣接する市観光物産センター「いわき・ら・ら・ミュウ」では関係者と意見交換し、「常磐もの」による昼食に臨んだ坂本氏。勿来漁港で水揚げされたナメタガレイやメヒカリ、ヒラメなどに舌鼓を打ち、「おいしい」と満面の笑みで記者団に応えた。
これに先立ち、24日には双葉郡の営農再開状況を視察し、同郡楢葉町の相馬屋(本社・小名浜)によるパックご飯工場に足を運んだ。
(写真:野崎会長=右=と面会した坂本農水相)