パリ・パラリンピックは5日、視覚障害者柔道女子48kg級(J1=全盲)が行われ、いわき市平中平窪出身の半谷静香(36)=トヨタループス=が銀メダルを獲得した。半谷は2012年ロンドン大会から4大会連続でパラ五輪に出場しており、初めてメダルを手にした。
世界ランキング5位の半谷は、準々決勝で同4位のロシオ・レデスマデュレ(アルゼンチン)、準決勝で同1位のエジェム・タシンチャブダル(トルコ)をそれぞれ延長の末に破り、決勝に進出した。決勝では同2位のナタリア・ニコライチク(ウクライナ)と対戦し、開始54秒で背負い投げによる技ありを奪われると、2分56秒で背負い落としを決められて一本負けとなった。
市文化センターでは、市主催のパブリックビューイングが開かれ、決勝には約60人の市民らが集まった。父・良人さん(69)、母・千賀子さん(66)も見守る中、半谷は堂々とした戦いを繰り広げ、銀メダルの結果に惜しみない拍手が送られた。
半谷は進行性の目の疾患「網膜色素変性症」で生まれつき弱視ながら、兄の影響で中学から柔道を始めた。平一中、東日本国際大附属昌平高と進む中で徐々に視力が低下し、視覚・聴覚の障害に特化した筑波技術大で視覚障害者柔道に転向した。
良人さんは「多くの方々の支えと地元の皆さんの応援があって、ここまで来ることができた。静香は頑張り屋。本当にうれしい。自慢の娘です」と目を細めていた。
(写真:市文化センターで開かれたパブリックビューイング。手前が父・良人さんと母・千賀子さん)
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