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水害から1年 内郷では復興への動き進む「自分たちも動ける体制を」
昨年9月の台風13号に伴い県内初となる線状降水帯が発生し、市内各地に甚大な浸水被害をもたらした豪雨被災から、あす8日で1年を迎える。
水害では、二級河川・夏井川水系の宮川、新川をはじめ市内各地の40河川で越水や護岸、河岸、法面の崩落、土砂の流入が相次ぎ、1人が亡くなり、5人が負傷、住宅1729棟が床上・床下浸水の被害を受けた。
1928世帯・4143人がり災し、なかでも河川からの越水や内水の氾濫で最も酷い被害となった内郷地区では現在、宮川と新川流域で護岸の嵩上げ、堆積した土砂の撤去など、「被害を受けた施設からさらに被害が拡大し、他への被害が生じないよう『元の形に復旧する工事』」が継続している。
県は今年6月、両河川の改修工事に早ければ2026年度から着手することを発表し、今月5日には市の災害検証チームが最終報告書を示すなど、復興に向けての取り組みは進んでいるが、近年多発する自然災害の脅威によりいつ何時、大規模な水害が発生するか分からない。
内郷宮町3区の奥山昌志区長(79)は「また同じような水害が発生したら、多くの人が住めなくなるのでは」と不安を募らせる。
被害を教訓に、行政には一刻も早い対策を求める一方、「行政だけでやっていくには限界がある。自分たちも動ける体制を作らないと」と自助、共助の必要性をかみしめている。
(写真:護岸がかさ上げされた内郷の金坂川)