いわき駅前大通り(国道399号)では来春を目標に、歩道の有効活用が可能となる制度「歩行者利便増進道路(ほこみち)」の県内初指定に動いている。地域の関係者が県、市と合同で、昨年11月と今年6月に社会実験「いわき駅前公園化計画」を繰り広げ、28日からは3回目を行う。
通り沿いでさまざまな催しに臨むことで、平中心市街地ににぎわい創出を目指しており、17日夜には平字三町目の「ゲストハウス&ラウンジFARO(ファロ)」で、本格化に向けた意見交換会が開かれた。
ほこみちは、歩道を使ったまちづくりやにぎわい創出を後押しする国の制度で、歩道にオープンカフェやテラス席などを自由に設置できるほか、空間を利用したイベントの開催も可能となる。新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、飲食店を支援する一環で道路占有に対する特例を設けた取り組みが拡大した。
国土交通省によると、3月末現在、全国139カ所が指定され、東北地方は岩手県盛岡市や宮城県仙台市の計7路線で展開されている。県内では福島市でも10月に社会実験が計画されている。
意見交換会では、県や市と連携した運営主体を発足することを念頭に、地元有志12人が団体名と今後の方針を話し合った。いわき市の他地区にあるまちづくり団体をヒントとしつつ、平地区としての歴史や個性をいかに尊重するかを議論。子どもから社会人まで、広く道路が使える環境を整備していく考えで一致した。
いわき駅前公園化計画を担う一人で、意見交換会の進行役を務めたファロの北林由布子さん(54)は「平の駅前がいわきのハブである役割を果たし、自由な発想でみんなが楽しめる場所を築きたい」と話す。将来的には社会実験に掲げる通り、いわき駅前大通りを「公園化」すると笑顔で宣言した。
(写真:平地区のあり方を話し合う参加者)
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