地球環境の保全と海洋資源の大切さを伝える「小名浜国際環境芸術祭2024」が11月12日まで(一部展示を除く)、ふくしま海洋科学館「アクアマリンふくしま」で開かれている。今年で21回目を迎える芸術祭は、いわき市の水産物ブランドでもある「常磐もの」をテーマに掲げており、黒潮と親潮が出合う福島県沖の豊富な漁場を知ってもらうため、海洋環境保全や持続可能な漁業などアートを通してさまざまな角度から呼びかけをしている。
アクアマリンふくしまは2003(平成15)年の環境水族館宣言をきっかけとし、翌04年から年に1回、さまざまなアーティストを交えた企画展として、小名浜国際環境芸術祭を継続している。
メインの取り組みとして、オリジナルの大漁旗デザインを国内外から募る「小名浜国際大漁旗アート展」は今年で16回を数える。大漁旗アート展は、将来にわたって水産資源を維持するため、資源量の安定した魚介類を食べる運動「HAPPY OCEANS(ハッピーオーシャンズ)」の取り組みを世界に発信する狙い。
国内外から寄せられた作品328点のうち、有識者による審査を受けた優秀作品が、同館屋外エリアと本館1階エントランスホールに飾られ、来館者を楽しませている。
本館3階南テラス前では、同館ゆかりの芸術家が協力した「常磐ものアート展」を開催。6人のアーティスト・デザイナーが、常磐ものをモチーフに個性豊かなデザインを施したTシャツを並んでいる。11月10日まで。
また海洋ごみの問題にも関心を持ってもらおうと、本館2階ふくしまの礒ではNPO日本渚の美術協会の協力で、「『豊かな漁場からの贈り物~常磐もの』@シーボーンアート展」を展開している。
この試みは海岸漂着物を「海からの贈り物」と称し、それらを使ったアート作品を「SEA BORN ART(海から生まれた美術)」と銘打ち、海岸に流れ着いた物で、カツオ、アンコウ、ヒラメといった多様な生き物たちを表現。来館者に海の現状に目を向けてもらっている。
(写真1枚目:来館者を迎える大漁旗 2枚目:常磐ものをモチーフにしたTシャツ 3枚目:海岸漂着物で表現したアート)