郡山市出身で、いわき市を舞台にした映画「釣りバカ日誌8」の主演に加え、東日本大震災・東京電力福島第一原発事故からの復興にも尽力した俳優・西田敏行さんが死去した。76歳だった。17日に東京都世田谷区の自宅で倒れているのが見つかり、その場で死亡が確認されたという。
西田さんは中学卒業後に上京し、1970(昭和45)年に劇団青年座に入団。「西遊記」「池中玄太80キロ」はじめ、数多くのテレビドラマ・映画で活躍した。
釣りバカ日誌8は1996(平成8)年8月に公開。人気シリーズの9作目として、いわき商工会議所青年部が市制施行30周年を記念してロケ誘致した。釣り仲間の西田さん扮(ふん)する平社員・浜ちゃんと、故三國連太郎さんが演じる会社社長・スーさんが繰り広げるコメディーで、95年11月に市内各地で撮影が行われた。
2011年6月公開の映画「星守る犬」にも主演しており、震災前年の10年10月に永崎海水浴場や久之浜で撮影したとあって、西田さんは被災地に心を寄せ、いわき市の復興を願うメッセージを送っている。このほか1984年9月公開の作品で、成人映画のカメラマン役で主演した「ロケーション」もいわき市で撮っている。
今年1月に発表された県のPR動画「福島を愛しております。」では、県産品の中でも特にいわき市の魚・メヒカリがお気に入りと語るなど、原発事故による風評払しょくにも努めていた。
(写真:いわき商工会議所にサインを贈った西田さん。「絶対にあきらめないという気持ちで日々を過ごしてほしい」と激励した=2011年6月)
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