市と住民が小名浜地区の未来を考える「トークシェアミーティング(市民対話)」が8日、小名浜公民館で始まった。老朽化などの課題を抱える公共施設の適正化にあたり、地域に本当に必要なサービスや機能について、自由な発想で〝わたし〟目線で考えてもらう場として設けられた。来年5月まで全4回を予定しており、同地区では2027(令和9)年3月までに主要な施設のあり方について方針を決定する方針。
いわき市は14市町村が合併した広域都市のため、各地に老朽化などの課題を抱える公共施設が点在。県内最多の1281カ所にも上り、老朽化に加え、全体の約4割が1981(昭和56)年以前の旧耐震基準という。
内田市長は今年5月、将来的な人口減による税収減を踏まえ、すべてを維持していくことは難しいとし、あり方見直しや廃止を含めた「個別施設計画」を発表。地域住民と対話し、対応を協議していくと明らかにした。
中でも小名浜地区の公共施設は老朽化が顕著で、市としても今後の立ち位置を巡り検討の緊急性が高いと認識。市小名浜支所は1952(昭和27)年、小名浜市民会館は60年と、旧磐城市時代に整備され、小名浜公民館も67年に建てられた。特に小名浜市民会館は大規模な修繕が必要となった際には、供用を廃止する方針だ。
今回のトークシェアミーティングは都立大都市環境学部の讃岐亮助教が進行役を務め、メンバーを入れ替えながら円卓になって模造紙に意見を書く「ワールドカフェ方式」で展開。讃岐さんは都市計画やまちづくりが専門で、公共施設の将来について、5年前から市の庁内調整に携わっている。
幅広い世代が参加できるよう、4回とも金曜の午前と夜、土曜の午前と、計3回同じ内容を設定。初回は「『わたし』が小名浜でやりたいこと」をテーマにし、8日午前は地域住民など17人が訪れ、参加者たちは4つのグループに分かれて意見を共有し、「小名浜でおいしい魚と酒を楽しみ、自動運転の車で平に帰りたい」「住民目線のサードプレイス・パブリックスペースがほしい」「小名浜マリンブリッジを自転車で好きな時に渡りたい」など、多彩で夢のある発表を行った。
トークシェアミーティングの詳細は、市ホームページ<こちら>より。
(写真:円卓になって自由な発想を書き出した参加者)
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