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長野・御湖鶴 関東信越の酒類鑑評会で初めて最優秀賞 泉町の磐栄運送経営

 関東信越国税局(埼玉県さいたま市)が管轄する6県の酒蔵を対象にした「第95回関東信越国税局酒類鑑評会」で、磐栄運送(本社・泉町下川、村田裕之代表取締役)が経営する長野県下諏訪町の酒蔵「諏訪御湖鶴(みこつる)酒造場」製造の純米吟醸酒「御湖鶴 純米大吟醸 山田錦 火入れ」が、純米吟醸酒の部の最優秀賞に輝いた。
 公的機関が主催する鑑評会の中でも特にレベルが高く、最高賞受賞は初めて。杜氏の竹内重彦さん(52)は「このような賞をいただいて本当に驚いている。市販酒の製造にも反映し、より皆さんに喜んでいただけるお酒を造っていきたい」と感想を話した。
 諏訪御湖鶴酒造場は1912(大正元)年に創業した、長野県の酒蔵「菱友醸造」が前身。全国の諏訪神社の総本社でもある諏訪大社に奉納するなど、由緒ある地酒「御湖鶴」を生み出してきたが、経営難で2017(平成29)年に事業継続を断念したことを受け、磐栄運送が下諏訪町唯一の酒造の灯を消してはならないとの思いから事業を承継。翌18年に再出発を果たした。
 330ほどの酒蔵がある関東信越国税局の酒類鑑評会ではこれまで、純米吟醸酒の部で2度優秀賞を受賞したが、最高賞受賞は初。純米吟醸酒部門には174の製造場から147銘柄が並んだが、「リンゴ、メロン、バナナの香り。丸みを帯びたシルキーなテクスチャーを有する。マンゴーやパイナップルのトロピカルな要素が口中に広がる。豊かな甘味とほどよい苦味のバランス」との高評価を受けての受賞となった。
 杜氏の竹内さんらによると、今回受賞した銘柄は、長野県安曇野市で栽培された酒米・山田錦の中心部のわずか35%の質の良いでん粉を原料として使用。瓶詰めした生原酒を湯煎で加熱殺菌(火入れ)し、その後、急速冷却する手法を採用することで、透明感があり、フルーティーで滑らかな舌触りを実現させた逸品だ。
 諏訪御湖鶴酒造場では受賞を記念し、山田錦と同じタンクで仕込んだ特別な酒の販売を今月下旬に予定しており、村田社長は「2年目に新しい酒蔵を作ったり、大きく投資をしていく中でこれらの賞をいただけたのはうれしい」と喜びながら、「今後も皆さんに美味しいお酒を飲んでいただければ」と語り、いわきと諏訪の縁を結ぶ銘酒をさらに熟成させていくことを誓った。
 (写真:最優秀賞に輝いた「御湖鶴 純米大吟醸 山田錦 火入れ」)

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