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平字田町の火災から半年 市道バリケード外れる 年内に再建意向の所有者も
平字田町の繁華街で計13棟の建物が被害を受けた大規模火災から、26日で半年が経過した。市は25日、がれき撤去が進んだことから、市道沿いに設置していたバリケードを外したほか、30日をもって官民合同で支援を進める対策チーム「いわき駅前火災対応タスクフォース」を解散する。内田市長が25日、臨時記者会見で明らかにした。一部の土地所有者は年内にも建物を再建する方針を決めているという。
火災は5月26日午前10時ごろ、平字田町の雑居ビルの一角から発生し、約11時間半後に鎮火した。焼損13棟(全焼5棟・半焼2棟・部分焼5棟・ぼや1棟)で、焼損床面積は計1224・89平方m。44テナントが被害に遭い、47件のり災証明書を発行した。出火原因は当初3カ月程度で判明する見通しを示していたが、現在も調査中。
自然災害とは異なり、火災の場合は公費でのがれき撤去や、燃え残った建物の解体は行えないが、タスクフォースでは支援制度の発信、所有者との連絡調整、周辺環境の維持などに努めた。特に権利関係の複雑さに加え、「田町」には商店会のような組織がないため、当事者間の合意形成に難航したが、必要な取りまとめを図った。
バリケードは6月12日、新田町通り(通称・2本目)と、紅小路通り(通称・3本目)に設け、歩行者の安全確保に当たった。7月27日には衛生対策として、次亜塩素酸水溶液を散布している。8月19日からは、同意が得られた地権者によるがれき撤去が始まった。
並行して市消防本部では、市内各地に点在する飲食店が密集するエリアに対する防火指導にも乗り出した。
その後もがれきの分別や建物の解体が展開され、残る部分も年内には終了する要件で工事が申請されている。こうした状況から、内田市長は「現地では再建の動きもみられ、今後は課題に応じて取り組む段階に移行した」とし、タスクフォースの解散を決定した。
引き続き担当課ごとに、廃棄物管理や事業再建に向けた助言・相談を実施するほか、いわき駅前のにぎわい創出のため、寄せられた浄財の約30万円は地域振興を目的とする「たいらまちづくり株式会社」が受け入れる。
(写真:がれきの撤去が進み、市道沿いのバリケードが外された平字田町の現場=25日)