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いわきアリオス 2月2日にN響定期演奏会 トゥガン・ソヒエフ氏指揮で

 2025年が幕を開け、今年もいわき芸術文化交流館「アリオス」では多彩なプログラムが予定されている。2月2日にはアルパイン大ホールで、日本を代表するオーケストラによる「第12回NHK交響楽団いわき定期演奏会」が開催される。いわき市は東北地方で唯一、NHK交響楽団(N響)が定期演奏会を開催しており、珠玉の舞台が繰り広げられる。
 NHK交響楽団の指揮を務めるのは、トゥガン・ソヒエフ氏。1977年に旧ソ連・北オセチアで生まれ、2005年にフランスのトゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団の首席指揮者に就任した後、14年からはロシア・モスクワのボリショイ劇場音楽監督も兼任し、さらなる活躍が期待されていた。
 しかし2022年、ロシアのウクライナ侵攻に伴い、彼を取り巻く環境は一変する。欧米のクラシック音楽界では、ロシア出身の演奏家やロシアにまつわる音楽を忌避する流れが続いた。それは政治と距離を置くソヒエフ氏も例外ではなかった。
 ソヒエフ氏は同年3月、「いま私はヨーロッパで選択を迫られ、仲間の音楽家たちの中からどちらか一方を選ぶことを余儀なくされています」とメッセージを発表し、苦しい胸の内を明かした。そして「私たち音楽家は、平和の使者なのです」とも訴えた。
 親ロシアか、反ロシアか――。どちらかを選ぶことは不可能とし、トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団、ボリショイ劇場音楽監督いずれのポストも辞した。だが「私はこれからも『音楽家』として彼らの側にいます」と結んでいる。
 今回の選曲はくしくも、ロシアやウクライナにもかかわりが深い。ロシアの作曲家ムソルグスキーが、ウクライナの小村ソロチンツィを舞台とした人間模様を描く「ソロチンツィの市」に加え、幼少期にウクライナ東部の村で育ったバルトークの「ヴァイオリン協奏曲第2番」が披露される。
 メインにはドヴォルジャークの「交響曲第8番」を据えた。ドヴォルジャークは、同じスラブ系であり、オーストリア帝国の支配から独立を目指すチェコ人の精神的支柱となった。
 昨年1月のいわきアリオスによるインタビュー取材で、文化芸術を知る人は他者を思いやることができると説いたソヒエフ氏。世の中が利益主義や物質至上主義に走りがちな中で、「『音楽に接する、知る』というのがとても大切なこと」という。初の来市を控え、「いわきの文化に貢献できることを、すごくうれしく思っています」と呼びかけた。
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 2月2日(日)午後3時開演 アルパイン大ホール
 〔料金〕指定/S席7,500円 A席6,500円 B席5,500円 C席・車いす席4,500円 U25(25歳以下)は各席種半額 withチケット(介助者用)500円 自由/4階席2,000円 ※未就学児入場不可
 (写真:いわき定期演奏会を指揮するトゥガン・ソヒエフ氏)

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