全国新酒鑑評会で金賞を幾度も受賞するなど、いわき市を代表する日本酒の銘柄「又兵衛」で親しまれている、四家酒造店(内郷高坂町)の2年ぶりとなる新酒の仕込み作業が、今週に入り本格的に始まった。
例年、岩手県花巻市を拠点とする南部杜氏の協力を得、昔ながらの製法で仕込み作業を行っているが、今季は手練れの杜氏、蔵人(くらびと)とともに、長年携わってきた7代目当主の四家久央さん(54)を中心に、社員のみで行うことに。
製造量も少なくなるが、四家さんたちは全国の愛酒家の期待に応えて良質な日本酒を提供するため、県産米を洗い水につけ、蒸した蒸米と麹(こうじ)、水を酒母と共にタンクに入れて発酵させる、醪(もろみ)の仕込み作業を本格化させた。
昨年の猛暑の影響で新米は若干固めというが、培ってきた酒造りの知恵と技術で酒質の決め手となるという麹造りにもこだわりを込める。もろみは1カ月弱かけてじっくりと発酵させるといい、「皆さんにおいしいと、喜んでいただける酒をつくりたい」と四家さん。夏前には、又兵衛の純米、吟醸酒を届けたいと意気込んでいる。
(写真:攪拌=かくはん=作業を行う四家さん)
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