日本を代表するオーケストラ「NHK交響楽団」(N響)のメンバーが、いわき市のさまざまな場所に出向いて演奏することで、広く市民に芸術活動に触れてもらう「NHK交響楽団いわきアンバサダー」の企画として、レジデントシリーズ2024冬麗編は24、25日、薄磯のいわき震災伝承みらい館と、東田町の東田保育園ホールで開かれた。
本年度のアンバサダーは、植田町出身のN響バストロンボーン奏者・黒金寛行さん。昨年5月から定期的に来市し、いわき湯本温泉の旅館や小名浜魚市場、ふくしま海洋科学館「アクアマリンふくしま」などに赴き、多彩なプログラムを披露してきた。
アンバサダーは英語で「大使」を意味し、2022(令和4)年度からレジデントシリーズと題して、演奏会や音楽にまつわる講話を展開。いわきアリオスによると、過去2年間で、延べ約2千人が参加している。さらにN響のメンバーとして、市外でいわき市の魅力を発信する役割も担っている。
今回の冬麗編には黒金さんと、ピアノ奏者の城綾乃さんがタッグを組んだ。2人はバストロンボーン2本とピアノのアンサンブル「Trio Sync.(トリオシンク)」を組む音楽仲間で、気心の知れた相手とあって、息の合ったサウンドを繰り広げた。
24日のいわき震災伝承みらい館では、旧豊間中で津波に遭いながら音色を取り戻した「奇跡のピアノ」で二重奏を行ったほか、25日の東田保育園では小さな子どもたちも一緒に耳を傾けた。
いわき市は東北地方で唯一、N響が定期演奏会を開催しており、一連の企画は本番に足を運んでもらう狙いもある。2月2日にはいわきアリオスアルパイン大ホールで、トゥガン・ソヒエフ氏指揮の「第12回NHK交響楽団いわき定期演奏会」を予定している。
メインにはドヴォルジャークの「交響曲第8番」を据え、郷古廉さん(N響第1コンサートマスター)をソロに、バルトークの「ヴァイオリン協奏曲第2番」なども。開演は午後3時。詳しくはアリオスチケットセンター=電話(22)5800=まで(午前10時~午後8時、火曜日定休)。
(写真:東田保育園で演奏を披露する黒金さん=右=と城さん)
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NHK交響楽団・黒金さん(植田町出身)震災伝承みらい館、東田保育園で演奏
