ふくしま海洋科学館「アクアマリンふくしま」は8日、絶滅危惧種ニホンウナギの稚魚・シラスウナギの展示を始めた。同館では「弁財天うなぎプロジェクト」と銘打ち、謎多きウナギの生態解明と、生息数の減少に歯止めをかけるべく、県内での調査を続けている。今回の個体は体長約6cmほどで、レプトセファルスと呼ばれる時期で、真っ黒な成魚と異なり半透明の体をしている。
同館によると、ウナギのなかまは世界に19種類(16種3亜種)あり、ニホンウナギは日本を含む東アジアに広く分布している。ニホンウナギは産卵場からレプトセファルス(葉形幼生)の状態で黒潮に乗って北上し、日本近海でシラスウナギに変態して川を遡上。成長するにつれて黒っぽくなるという。
ウナギは食卓に上る魚であるが、生息環境の悪化・乱獲によってその数は減っており、2014年にはIUCN(国際自然保護連合)レッドリストの絶滅危惧種に指定されている。
弁財天うなぎプロジェクトの調査で、今年1月上旬からいわき市内でシラスウナギの遡上を確認。同月下旬にかけて採集した11個体を淡水で慣れさせ、エサを食べるようになったため展示を始めた。
同館では「ニホンウナギの生態や保護活動などへの理解を高める機会を提供できれば幸い」と話している。展示場所は本館3階「オセアニック・ガレリア弁財天うなぎプロジェクト」コーナー。
(写真:アクアマリンふくしまで展示が始まったシラスウナギ=同館提供)
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アクアマリンふくしま シラスウナギ展示開始 貴重な生態知る機会に
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