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画家の田口安男氏死去 元いわき市立美術館長 「手」モチーフに独自の表現

 画家で市立美術館長を務めた田口安男氏が昨年9月28日、老衰のため自宅のある千葉県いつみ市内で亡くなっていた。享年94。葬儀は近親者で執り行った。13日に同美術館が発表した。
 田口氏は1930(昭和5)年、いわき市平出身。磐城高、東京芸術大美術学部油画科を経て、81年から98年まで同大教授。退官後は、市立美術館長、名誉館長に就いた。画家として「手」を中心的なモチーフとして生動感ある独自な表現を追求したほか、イタリアで黄金背景テンペラ画を学び、その第一人者として技法と普及に努めたことでも知られる。
 田口氏の訃報に接し、佐々木吉晴元同館長(68)は「優れた画家であり、館長当時は作り手として作品に接し、個人的に技法論などを学ばせていただいた。いわきの文化、美術に貢献された得難い方でした」と惜しんだ。
 (写真:アトリエでの田口氏=2012年 市立美術館提供)

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