介護をテーマに自分らしい老後のあり方を考える「介護フェアinいわき2025」(市病院協議会主催、市、市医師会共催)が18日、内郷高坂町の市総合保健福祉センターで開かれる。22回目を迎える取り組みで、今回は「最期まで自分で決める豊かな人生」と銘打ち、終末期に望む医療やケアを家族や医師らと話し合う「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」について理解を深めてもらう。
ACPは「人生会議」とも称され、病気や老衰で意思表示が難しくなった場合、治療方針など誰が思いを代弁するかについて、あらかじめ話し合っておく大切さを説いている。ただ一般市民の認知度は高くはなく、市病院協議会によると、市や医師会の啓発によって全国平均より高いものの、1割には届いていないという。
こうした現状を踏まえ、介護フェアでは初めてACPに焦点を当て、自分の価値観や希望を医療チームや家族と共有する重要性を説明。まだまだ発展途上の考え方であるからこそ、幅広い立場からACPについて意見を求めていく。
当日は2部構成で、第1部は養生会かしま病院の中山大理事長が特別講演「少子高齢多死社会の課題から『人生会議』を考察する」を実施。地域の生活に密着した医療と福祉の充実を志す立場から、医師としてどのようにACPと向き合っていくかなどを語る。
第2部は専門家を交え、「医師と一緒にみんなでACPをやってみよう」と題したセッションを展開する。市医療対策課の猪狩僚・事業推進員を座長に、第1部から引き続き中山理事長に加え、医和生会山内クリニックの山内俊明理事長、ときわ会常磐病院の新村浩明院長(同協議会介護福祉委員長)が、参加型対話を繰り広げる。
新村院長は「昨年度の診療報酬改定で、入院の際にACPが盛り込まれた。われわれにとっても身近となったが、やはり多様性の時代にあって、一人ひとりが意思決定することが求められる。ぜひ多くの人にACPを知ってもらいたい」と来場を呼びかけた。
また会場では市内の各種団体による相談コーナーに加え、おじゃべりAI(人工知能)・見守りスピーカーやリハビリの体験ができる。入場無料(予約・整理券不要)。時間は午前9時半~午後1時。
(写真:介護フェアをPRする新村院長〈左から2人目〉ら)
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ACPについて知ろう 18日に介護フェアinいわき 市民向けに講演など
