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原発事故 東電旧経営陣の13兆円命令取り消し 原告の株主ら逆転敗訴…東京高裁

 2011年3月の東京電力福島第一原発事故で東電に巨額の損害を与えたとして、同社株主42人が旧経営陣ら5人を相手取り、約23兆円を東電に支払うよう求めた株主代表訴訟の控訴審で、東京高裁は6日、勝俣恒久・元会長(故人)ら4人に計13兆円超の支払いを命じた1審・東京地裁判決を取り消し、株主側の請求を棄却する判決を言い渡した。
 木納敏和裁判長は「巨大津波を具体的に予測することはできなかった」と述べた。株主側の逆転敗訴となった。
 訴訟では、事故を引き起こした巨大津波を予測し、事故を防ぐ対策を取ることができたかが争点となり、旧経営陣に過去最高額とみられる巨額の賠償を命じた1審の判断を高裁が維持するかが注目されていた。
 訴えられたのは、勝俣元会長のほか、清水正孝・元社長(80)、武黒一郎・元副社長(79)、武藤栄・元副社長(74)、事故前年に常務になった小森明生氏(72)。勝俣元会長は昨年10月に亡くなり、相続人が訴訟を引き継いだ。
 22年7月の1審判決は、国の「地震調査研究推進本部」が02年に三陸沖から房総沖で巨大地震が起きる可能性を公表した「長期評価」を根拠に、旧経営陣は巨大津波の襲来を予測できたと指摘。原発への浸水を防ぐ「水密化」などの対策を講じるよう指示していれば事故を防げたとし、小森氏を除く4人に被災者への損害賠償費用や廃炉・汚染水対策費用などを支払うよう命じた。
 これに対し、株主側、旧経営陣側の双方が控訴。控訴審で旧経営陣側は、長期評価の信頼性には疑問があり巨大津波は予測できなかったとし、水密化も当時は着想できるような対策ではなかったと主張した。株主側は「長期評価の信頼性は高く、事故は予測できた。水密化も容易に思いつく対策だった」として1審に続いて旧経営陣の賠償責任を認めるよう求めていた。
 事故を巡っては、争点が共通する二つの刑事・民事裁判で、最高裁が22年6月と今年3月、「巨大津波は予測できなかった」「対策を取ることはできなかった」とする判決や決定を出していた。(読売新聞社配信)
 (写真:東京高裁に入る原告ら=6日午前10時28分、東京都千代田区 上甲鉄撮影)

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