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いわき市石炭・化石館「ほるる」 生物の造形テーマに夏季特別展
全く異なる系統の生きものでも、同じような姿や特徴を持つように進化する現象「収斂(しゅうれん)進化」を取り上げるなどし、生きものの造けいの美しさや進化の不思議をテーマにした、市石炭・化石館「ほるる」の夏季特別展「生物の造形(かたち)」が19日、常磐湯本町の同館1階・講堂で始まった。
生きものの造形は、生活する環境(陸上や水中、空中など)、食べものの種類(肉食、植物食、プランクトン食など)と、さまざまな要因で決まっている。
今展では、生物の種類から収斂進化を果たした生きもの、イクチオサウルス類(魚竜)=中生代ジュラ紀・一部実物・産地ロシア=の全身骨格や肉食恐竜のアロサウルス=中生代後期ジュラ紀・複製・産地アメリカ=の頭骨、ハドロサウルス類=中生代後期白亜紀・実物・産地アメリカ=の下顎骨といった同館収蔵の骨格標本、はく製など約70点を解説とともに展示した。
歯や骨格の形状の違いなどを子どもたちにも分かりやすく紹介するとともに、化石の代表格でもある多様なアンモナイト(正常巻き、異常巻きの実物)も並べ、その形の秘密に迫っている。
なかでも注目は『空飛ぶ使い魔』と称される、中生代白亜紀前期の大型翼竜の「トゥプクスアラ」。頭に大きなトサカを持ち、展示標本はブラジルのサンタナ層で見つかった同館所蔵の化石で、ほぼ全身が残っているのは世界的にみても貴重という。
複製の全身復元骨格は、1階化石展示室に常設展示されている。県外の専門家が研究のため同館に足を運ぶほどの保存状態の良さで、普段は収蔵庫で大切に保管されており、今回は特別展示となる。
また同館では企画展に合わせ、8月3日にフタバスズキリュウが見つかった双葉層群(玉山、足沢層)をめぐる夏休み探検散策ツアーも行う。問い合わせは同館=電話(42)3155=まで。
(写真:注目を集める特別展示の大型翼竜「トゥプクスアラ」)