市水道局は6日、平下平窪の配水管改良工事を巡って業者に設計価格等を漏えいし、見返りとして現金10万円を受け取ったとして、工務課の真山佳幸・技術主任(34)=官製談合防止法違反、加重収賄の罪で起訴済み=を懲戒免職とした。
山田誠・市水道事業管理者は「改めて綱紀粛正の一層の徹底に努め、職員一人ひとりが公務員としての自覚と高い倫理観を持って職務に取り組んでいく」と再発防止に向けての考えを強調した。
事件を巡っては、昨年1月に入札が行われた際、予定価格を算出するための積算に誤りがあったにもかかわらず、大松興産(小名浜定西)が最低制限価格と同じ金額で落札。当初から情報漏えいの疑惑が持たれていた。
今年6月に真山元技術主任と大松興産の社長、専務の計3人が官製談合防止法違反の容疑で逮捕された。さらに7月には現金のやり取りがあったとして、真山技術主任が加重収賄、社長が贈賄の疑いで再逮捕され、それぞれの罪で起訴・追起訴されている。
真山技術主任は市水道局の聞き取りに「大変申し訳ない」と述べ、一連の起訴された事実について認めた。さらに2018(平成30)年から3年間にわたって南部工事事務所に在籍した際にも、不正を働いていたと説明したという。
ただ山田管理者は「公判で明らかになると思うため、現時点で詳細については控えたい」と言及を避けた。
市水道局では再発防止策のうち、職員に業務用携帯電話を貸与する方針で、個別に事業者とやり取りする機会を無くす。真山元技術主任が大松興産側と、私用の携帯電話で連絡を取り合っていたことが分かっており、今回の事件を引き起こした要因の一つと考えられるためだ。
このほかにも事業者との関係性も見直し、執務室への入室制限を徹底し、悪質な場合は指名停止措置とする。録音機能付き電話機を設置し、必要に応じて会話の中身を確認する。
公益通報制度の周知も図り、通報窓口を現行の総務課長に加え、所属長や局長など複数設ける。匿名でも受け付けできるようにする。
山田管理者をはじめ、市水道局幹部の処分も検討する。
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内田市長は6日、真山元技術主任の懲戒免職処分を受け、「このような職員による不正な事案が発生したことは大変遺憾であり、改めて市民の皆さまに、心から深くおわび申し上げます」とコメントを発表した。
その上で再発防止にあたっては「ガバナンス(組織統治)の徹底を図りながら、私が先頭に立って、水道事業管理者、そして水道局全職員と共に全力を挙げて取り組んでまいります」と重ねた。
(写真:懲戒処分について説明する山田管理者)
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いわき市水道局 官製談合などに関与の職員を懲戒免職 南部工事事務所でも不正か






