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冨田武子さん遺作展 26日まで・市文化センターで 植物細密画一堂に

 いわき民報紙上に「いのちを描く―ボタニカルアートの世界―」を長らく連載し、柔らかなタッチと細部にこだわった筆使いで数々の植物細密画を紹介した、画家でいわき美術協会顧問の冨田武子さん(今年4月に86歳で死去)をしのぶ遺作展が26日まで、市文化センター5階中展示室で行われている。
 冨田さんが講師を務めた絵画サークル「ボタニカルアート泉」(橘内悦子会長)の主催で、同会員の作品展も兼ねている。入場無料。時間は午前9時半~午後4時(最終日は午後3時まで)。
 冨田さんは1938(昭和13)年、東京生まれ。武蔵野美術学校(現・武蔵野美術大)卒後、中学校の美術教員を務めた。定年退職後から本格的な制作活動に取り組み、絵画サークル「ボタニカルアート泉」「泉彩華」などの講師のほか、新世紀美術協会福島支部会員、いわきキノコ同好会長などに就いた。
 いわき民報では、掲載当時モノクロだった冨田さんの作品をカラーで紹介する「いのちを描く 再び…ボタニカルアートの世界」を毎月第1月曜付で連載している。
 会場には数多くの遺作の中から、厳選した41点に、会員が出品した20点を加えた計61点を展示している。初日から、冨田さんを知る人たちが大勢足を運び、緻密で自然美あふれる作品に見入りながら、その人柄を回顧していた。
 橘内会長は「冨田先生は、私たちの主体性を大事にしてくれた。色合いや構図、遠近法に適切な指導をしていただいた。この機会に自然を愛し、路傍の草花にも心を寄せた冨田先生の作品をぜひご覧いただきたい」と来場を呼びかけた。
 (写真:冨田さんが手がけたボタニカルアートに見入る来場者)

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