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いわき長ネギの振興・流通促進目指して JAの選果調製施設 平下片寄で操業開始
JA福島さくらの「いわき長ネギ選果調製施設」が21日、平下片寄で操業を始めた。同日には開始式が行われ、関係者ら約40人が出席し、地元を代表する農産物「いわき長ネギ」のさらなる振興・流通促進を願った。
鉄骨造り平屋建てで、延べ床面積832・69平方mは、県内の同種施設としては最大規模という。さっそく皮むきされた長ネギが大きさごとに選別され、出荷の準備が整えられた。
JA福島グループでは高収益が見込まれる農産物を効率的に栽培し、産地ごとに1億円以上の売り上げを目指す「ふくしま園芸ギガ団地構想」を展開。いわき地区では長ネギ、イチゴを園芸振興品目と定めている。
ネギ作りは明治時代から盛んで、秋冬ネギは国の指定産地となっている。ピーク時の1998(平成10)年ごろには出荷数量900tに上ったが、近年は生産者の高齢化や担い手不足を背景に落ち込み、昨年度は200t程度にとどまった。
こうした状況を踏まえ、JA福島さくらでは最も労働力を要する選別・調整作業を引き受け、生産者の負担軽減による産地維持を図っていく。選果調製施設は今年2月、農林水産省の補助を活用して完成した。稼働時期は11月~翌年3月。根葉切り皮むき機8台、補正皮むき機、長ネギ画像選別機、全自動結束機各2台、箱詰め台7台。総工費は2億4990万円。
JA福島さくらによると、来年3月までに昨年度の1割に相当する4千~5千箱(1箱5kg)の出荷を計画。安定的に高品質を保つことで、いわき産長ネギのブランド化につなげていく。
開始式では、いわき長ネギ選果調製施設管理運営委員会の冨岡正治委員長、JA福島さくらの志賀博之理事長があいさつし、それぞれ農業を取り巻く環境が厳しい中でも生産拡大に取り組む姿勢を強調した。県いわき農林事務所の上野徳夫所長、安藤靖雄副市長が祝辞に、平果の鈴木光栄代表取締役社長が販売宣言に立ち、関係者一堂で供用開始を祝したテープカットを行った。
(写真:操業を始めた選果調製施設)