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いわきFC 今季の振り返りと来季展望示す 新たに環境問題に対する取り組み深化
サッカー・J2いわきFCのクラブカンファレンスが20日、市文化センターで開かれた。約200人のファンクラブ会員が参加し、運営会社・いわきスポーツクラブの大倉智代表取締役、田村雄三監督、川﨑渉・マーケティング&ファンエンゲージメント シニアマネージャーが登壇し、今季を振り返ったほか、来季に向けての展望や試合を取り巻く環境などについて説明した。
クラブカンファレンスにあたり、大倉社長が過去10年間の推移に触れ、今年の売上高見通しは過去最高の14億9600万円(前年比6・25%増)と紹介。これは今季のJ2で優勝を果たし、J1昇格を決めた水戸ホーリーホックと同規模のため、「勇気をもらった」と述べた。
ただホーム戦の収容率は86・3%と高い水準で、入場料収入の面では飽和状態とも打ち明ける。広告料収入やパートナー企業数などが上昇している中で、特に重要視するのは12万を超えるソーシャルフォロワー数であり、「クラブの資産価値とも呼べる点から大切にしていきたい」と重ねた。
また人づくり・まちづくりの観点から、ホームタウン活動を積極的に展開した。今季は前年比73回増の126回にわたり、いわき市と双葉郡に足を運び、延べ8万7033人と交流し、うち子どもは2万7644人に上り、文字通り地域貢献に努めた。
来季からは新たに、Jリーグ全体で環境問題に協力する「スポーツポジティブリーグ(SPL)」が始まることも伝えた。イングランド・プレミアリーグから広がった考え方で、エネルギーや移動、ごみ・資源循環など12項目を巡り、クラブの取り組みを数値化し、その順位ごとに配分金が与えられる。
いわきFCでは既に脱炭素経営や海洋ごみ削減を展開しており、大倉社長は「皆さんと協力しながら、海も山もある環境問題に直結する地域として励んでいきたい」と呼びかけた。
2027年11月までに着工が求められる新スタジアム整備にも言及し、「クラブ創設に続き、第2の(月面着陸にかけて、前人未踏で困難な目標や計画を意味する)ムーンショットの思いでやり切る」と力強く語った。
(写真:登壇した大倉社長、田村監督、川﨑シニアマネージャー=右から)