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津波乗り越えた旧豊間中「奇跡のピアノ」弦の腐食進行も…全国の善意で復活

 2011(平成23)年に発生した東日本大震災の津波被災を受け、がれき撤去にあたった自衛隊の隊員によって土砂まみれの旧豊間中の体育館から救い出されたグラウンドピアノ。その後、ピアノショップいわき(平字作町)を経営するピアノ調律師の遠藤洋さん(67)が、市から引き取り家族総出で数カ月かけて修復し、「奇跡のピアノ」と呼ばれるようになった。
 この年の第62回NHK紅白歌合戦で嵐の櫻井翔さんが演奏したことで、復興のシンボルとして全国にその存在が知れ渡り、『震災遺構』としての存在価値も高まったが、海水の塩害で弦(ピアノ線)が腐食し、深刻な危機に直面していた。
 遠藤さんは震災15年の節目に向け、クラウドファンディングを実施。全国からの善意を受け、約2カ月の歳月をかけて大規模修復した奇跡のピアノが、11日に修復後初となる音を響かせた。
 通常は30年から35年に1度、弦を張り替えればいいが、1度目の修復後すでに5回もの張り替えを行うほどの危機的な状況に。
 対処療法的な修理では限界に達し、本体の維持自体が困難になる恐れがあることから、遠藤さんは震災遺構としての文化的価値、悲劇から復興に向けて歩んできた地域や人々の思いを50年、100年後に伝えていくためにも駒の交換を含む根本的な修復を決意し、昨年11月に広くクラウドファンディングで支援を呼び掛けた。
 趣旨に72人が共感し、期限までに158万4500円が寄せられた。目標金額の54%にとどまったが、「実は全額(ひとりで)負担するという人もあらわれた」という。
 ただ「それは多くの人たちの思いが詰まったピアノの存在意義とは違うような気がして」と断ったことを明かしながら、支援と並行して修復に着手。2カ月ほどかけ、後世に残していける遠藤さんも納得のコンディションに復活させた。
 大規模修復後初のお披露目となったのは、11日にいわき震災伝承みらい館(薄磯三丁目)で行われた恒例のピアノ演奏会。9回目となった同日は、下は『震災を知らない世代』の10歳から、79歳のベテランまで8人のアマチュアピアニストが、震災当時の旧豊間中の卒業生たちが寄せ書きし、奇跡的に残った黒板を前に、クラシックや映画音楽、復興応援曲「花は咲く」を披露した。
 (写真:旧豊間中の黒板の前で演奏するアマチュアピアニスト)

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