2011(平成23)年4月11日に田人町旅人を震源として、東日本大震災の1カ月に起きた最大級の余震「福島県浜通り地震」の発生から、11日で15年となった。10日には被害が大きかった田人地区の子どもたちに向け、災禍の記憶を後世に伝える講話が行われた。
浜通り地震は、地震の規模を示すマグニチュード(M)は7・0で、最大で震度6弱の揺れに見舞われた。田人地区では大規模な土砂崩れが生じ、4人が亡くなった。
田人地区の北側から南東側にほぼ横断する約14kmの井戸沢断層が、およそ1万5千年ぶりに動いたとされている。現地には地震によって明確な断層が出現。日本で初めて確認された正断層型で、学術的にも貴重な姿から、16年5月に市天然記念物(地質鉱物)に指定された。
こうした動きに合わせ、地元住民らで構成する「田人地域振興協議会」は伝承の重要性を踏まえ、13年から井戸沢断層に沿ってイチョウを植樹する活動を展開。24(令和6)年からは内容を改め、田人小・中の子どもたちへの講話を進めている。
今回は元県立博物館学芸員・竹谷陽二郎氏を招いた。竹谷氏は15年に田人中の生徒たちの協力も得て、断層のはぎ取り事業を実施した経験を持ち、地震のメカニズムや当時の様子に関して語った。
講話に児童・生徒に加え、地域住民ら約50人が参加。田人地区を取り巻く環境をひも解きながら、断層を巡る話題を繰り広げた。その上で「地震をむやみに恐れるのではなく、次に起きた時にどう行動すればよいか考えることが重要。正しく恐れることを身につけてほしい」と呼びかけた。
また竹谷氏はクイズを交えながら火山岩などの実物を紹介し、地質への理解を深めてほしいと願った。
一連の話を聞き、田村優典さん(14)=中3=は「地震は生まれる前の出来事なので直接は知らないが、これまでの講話で身近に断層があることに気付けた。家族といま一度、備えについて話したい」と充実した表情を見せた。
(写真:小・中学生に向けて講話する竹谷氏)
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4・11も忘れない 福島県浜通り地震から15年 田人で記憶継承に向けた講話





