■J2第31節 いわきFC0―0東京ヴェルディ(19日、いわきグリーン)
「J2の1試合だが、自分にとっては前に進み続けた結果、大きな1試合だと思っている」。J2初出場を果たしたチーム最年長のGK田中謙吾(33)は激戦を終え、一瞬感慨深げな表情を見せた。
田中の支えとなっているのは、愛する妻と子どもたち。妻は試合前に必ずパスタを作り、メンバーから外れたときは子どもたちも一緒に悔しがるなど、常に寄り添ってくれた。「何とかプレーする姿を見せたかった」。ようやくホームの晴れ舞台に立つ夫、父の背中を見せられ、ホッとするとともに、いつも以上に気合いが入った。
6月の天皇杯以来となる公式戦。幾度もゴールに迫られたが、的確なコーチングでチームを導き、DF陣とともに体を張ってゴールを死守した。しかし「無失点は味方のマークのおかげ」と、自己評価は〝最低限〟。ビルドアップの質の向上などに課題を残した。
次節はアウェーで17位のロアッソ熊本と対戦する。「(監督の田村)雄三さんは調子の良い選手を使うので、普段の練習からしっかりと準備していきたい」。ベテランとしてあぐらをかかず、より成長してチームの勝利に貢献したいと、気合いを入れ直していた。
いわきFC