平字中町の小野美術で6月2日まで、「手のひらの小宇宙 現代根付展」が開かれている。
江戸文化が生み出した彫刻芸術の根付は、元々は印籠や煙草(たばこ)入れなどを腰に下げる際に帯に引っ掛ける実用性の高い留め具だったが、着物や帯の意匠に引けを取らないような装飾性と芸術性が磨かれた。
幕末には『360度どこから見てもしっかりと彫られた芸術性』が来日した人たちに高く評価され、欧米諸国に盛んに輸出されるように。現在は手のひらにのせて楽しめる美術品として、世界中に愛好者がいる。
今展では、象牙のほか、黄楊(ツゲ)、マホガニーなどの木材、クジラ、鹿などの歯や骨を素材に、現代を代表する作家35人が創作した逸品約80点を一堂に並べ、販売している。象牙の流通は国により厳格に管理されているため、東京以北では小野美術のみの催事となる。
また、期間中は当代一流の象牙彫刻家、青木光行や倉田吉水の逸品が並ぶ「象牙彫刻工芸展」を併催しており、小野誠一社長は「洒落(しゃれ)た意匠と精緻な技法が施された作品を、この機会にぜひお楽しみください」と来場を呼び掛けている。
開場時間は午前10時~午後6時(最終日は同5時まで)。定休日は水曜。
(写真:開催中の「手のひらの小宇宙 現代根付展」)
- 施設名
- 小野美術
- 住所
- いわき市平字中町22の2
- 電話番号
- 0246(35)0383
- 開催期間
- 6月2日まで
- 営業時間
- 午前10時~午後6時(最終日は同5時まで)
- 定休日
- 水曜日