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いわきに来るきっかけとなる店に

「いわきに来るきっかけとなる店に」
ALAYA店主 戸田 宗輝さん(小名浜)

小名浜上明神町、街なかに佇む古着屋「ALAYA」。戸田宗輝さん(37)=小名浜在住=さんは都内のアパレル業界で勤めていたが、東日本大震災当時、テレビ越しに地元の被災状況を見て以来、「自分にできることは何か」と考え続け、経験を生かして街づくりにつなげようと帰郷して平成30年に店を立ち上げた。「都内にもない、いわきに来るきっかけとなる店」にしたい――。カフェも併設するなど、地域活性化に向けたさまざまな展開を続けている。

戸田さんは中央台に生まれ、小名浜高、いわき明星大を卒業後、東京都内のアパレル業界に飛び込んだ。
あこがれの職場で多忙な日々をすごす中、地元が被災しているのをテレビ越しに見た。故郷の状況に不安を抱えたまま一晩を明かした。ようやく連絡が取れた親と話をする中、「何か自分にできることはあるだろうか」と自問自答するように。葛藤の末に思い浮かんだのが、都内からも足を運びたくなる、街を盛り上げるような店を作る、という答えだった。
12年に及ぶ業界に別れを告げ、高校時代に親しんだ小名浜に理想を形作るための店を立ち上げた。ただ、これまでの経験から店の作り方は理解していたが、〝街全体の盛り上がりがないと店づくりもうまくいかない〟ことを実感していた。模索する中、仕事帰りにふらっと立ち寄ることのできる〝憩いの場〟に育てていくことを考え、古着に限らずコーヒーも販売した。
昨年、しっかりと食事も楽しんでもらおうと、パンを焼く設備などを整えて2階にカフェをオープンさせた。「『ワクワク感』のある、何屋さんか分からないような店をやりたかった」と戸田さん。すると、都内のようなおしゃれな空間、おいしいパンが口コミで評判を呼び、いろいろな客層が足を運ぶように。「なんかあそこいいよね」と言われるような店づくりを心掛けてきた、その努力が実り始めてきた。
戸田さんは「抜群に気候が良く、人も多い。まだまだ発展途上でやれることがいっぱいある街だと思っている」と、いわきに大きな可能性を感じている。老若男女問わず街に人があふれる情景が理想像。「僕ひとりでやれることには限界がある。だからこそちゃんといいものを作って、いい場所にしていきたい」と大きな夢を描き、今日も店を切り盛りする。

 

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