在京時、ざっかけな中華料理店で3人の若い力士と居合わせたことがある。こちらは夕食目当てだったが、彼らの注文には驚かされた。1人ずつ味噌ラーメン、野菜炒め定食、餃子いずれも大盛り。食欲旺盛な10代でも、敵わぬ量だった▼その店の近辺には、ある相撲部屋があったが今はどうなっているのか。その時の力士たちは活躍したのだろうか、などと思い出すことがある。自己の肉体を鍛え上げ、プロの道で生活していくことは容易でない▼昨日、市立総合体育館で日本相撲協会の肝いりで「いわき市復興祈願土俵入り」が行われた。来場はかなわなかったが3横綱、人気力士の姿を見るため約4000人が来場する盛況ぶりだったという▼横綱の四股は大地を踏み固める地鎮祭の趣を持つ。一時、スキャンダルが発覚した角界だが、昭和の名横綱双葉山が69連勝を阻まれた際、「未だ木鶏たりえず」という言葉を残した。尊い精神文化も大相撲の魅力である。